Fate
「違うよー(笑)。俺が一方的に迫ってんだけど、まだ返事貰えてないつーか。」

意外にも助け舟を出してくれたのは小林君だった。

「そぅそぅ、デートの誘いも断られちゃったんだよね〜っ。小林君」

ちょっとユミーっ!!

「あれっ?君、あれだよね、木村の…」

「えっ?」

「ほらっ、この前、十円がどうした…とかの!」

木村さんって言うんだ…
「あぁ…」

「何か感じ悪くてゴメンね。でもアイツ、真面目なだけで、すげぇイイ奴だから。この小林と違って(笑)。」

「ひっでー!」

ぷっ(笑)

怒った顔も可愛いんだな…小林君…

ひとつ年上かぁ…

「ユミちゃん達って、もしかして看護学生?」

「えっー!!嶋さん何でわかったんですか!?」

「この辺でバイトしてるって大体そうでしよ(笑)」

「そっかぁ(笑)」

「来週から実習なんですよね。会えますかね?」
ユミって積極的…

「会えるかもね。俺、外科だし、木村は内科だから。」

「うわぁ、楽しみ♪」


「ユミ、みずほー!」


やばっ…

フロアで紺野さんが私達を呼んでいる。

「混んできたみたいだね。ユミ、行くよっ!」


「もっと話したかったな…」

がっかりするユミに

「今度、ゆっくりね。」

嶋さんはそう言って、最高の笑顔をくれた。

私達には…今度ってあるかな?

何だか少し気まずくて、小林君の顔を見れなかった。

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