Fate
「何もないよ。」

「そっかぁ。良かった。」
「良くないよっ!何もなくて暇だよっ!!今から来いよ!」

「お前なぁ〜。今から行ける距離じゃないだろ。もう、日付変わってるし。早く寝ろっ!」

「ホント、セーカク悪いなっ」


「どっちがだよ…」
(夜中にそんな声聞かされたら、眠れなくなるだろ…)


「バカ言ってないで寝よ。」


「そうだな。なぁ、夏休み帰って来るよな?」


「えー分かんない。まだ6月だよー。おやすみー」


「おやすみ。」
(くっそっ…)

****

「日曜日にバイトなんて冴えないね、ウチら。」
「そーんなことないよ。バイト好きだもん。実は、実はユミだって例の人を待ってたりするんでしょ!!」

ドンっ!!

「痛った…、ホントみずほって怪力だよね〜」

「ちょっと、つついただけでしょー!!」

カラーン♪

「いらっしゃいませっ」

えっ?

「コンバンワっ!!みーずほちゃん!」

「えっ、あっ、どうしたの?」

「ちょっとーっ 例の?例の?」

慌てた私の様子ですぐに感づいたようで、ユミが耳元で囁いた。

「うんっ…」

って、返事を聞くな否や私の前に身を乗り出して…

「お席にご案内しますね。」


…早っ

〜※〜※〜※

「アハハハ…。えー!?ウソーっ!!」

なかなか帰って来ないと思ったら…

すっかり和んでるし。
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