〜Final Answer〜
私はつい、入るのを躊躇っていると…
亮太は、
『ここ…俺が昔バイトしてたとこだから…緊張しないで安心して入って!』
全てを見透かしたように、柔らかい笑顔で私に言った。
私は恥ずかしくなって一気に顔が赤くなる…。
そんな顔を見られたくなくて俯きながら店に入った。
カウンターにいる少し年配の男の人が、私と亮太を見て、
『いらっしゃい!』
目じりにしわをよせながら優しい笑顔を向けた。
『久しぶりです!マスター!』
そう言って亮太はカウンターに座った。
そして、私に隣に座るよう促す。
私は少し緊張しながらも…席に着いた。
『亮太…何だよ!これか?』
そう言ったマスターは小指を立てて、ニヤッと笑う。
『それ…古いっすよ!』
少し呆れたように亮太は笑った。
そんな亮太を無視したマスターは、私に、
『亮太がここに来るってことはなんか大事な話があるってことだ。まぁ…付き合ってやって!』
そう言ってウィンクをした。
亮太は、
『うるさい!マスター!!早くいつもの作って!!』
そう急かす。
亮太を見ると…まだお酒も飲んでないのに…すでに真っ赤だった。