〜Final Answer〜
翼の想い
あのカフェで一緒にいたのは…
接待でよく利用していたクラブの女…。
源氏名は…カンナ。
本名は…知らない。
俺はそこまで興味はない…。
でも、このクラブは俺のストレス解消の場だった。
カンナは初めてここにきた時にたまたま俺の隣にいた女で…
俺のくだらない話でも真剣に聞いてくれる…そんなやつだった。
これも仕事のひとつだ…って言われると…そうなのかもしれないが…
俺はそんなカンナの偽物の優しさに…癒されていた。
理夜には…仕事の愚痴なんか言えなかった。
弱いところなんか見せたらかっこ悪くて…
理夜の前では常にかっこいい俺でいたかった。
でも…唯一、カンナには理夜に決して見せることのなかった弱い俺を…見せることができた。
かっこつけることに…疲れていたのかもしれない…。
だから…
理夜には忙しいと嘘までついて…俺はここに来ていた。
理夜とはこの先結婚するわけだし…結婚したら仕事以外でここに来ることはできないだろうから…
なんて思って…理夜と会うよりも、ここに来ることを優先していた。
理夜の気持ちが離れてしまうことも気付かずに…。