GuiltCrown
「どうやってシュガーを探そうか……」
「しらみ潰しにいけばいつか見つかるんじゃない?」
レビテアがそんな提案をオリハルに提示する。
が
「こんだけ人のいる船でしらみ潰しってのは無謀だろ」
レビテアの提案を真っ向からレシルは否定した。
「っ…!あんたはどうすんのよ」
レビテアはかっとなって言い、レシルは静かに答えた。
「……こんなに人がいるなら、入って来た人の名前を記入する名簿があるはずだ。まずはそこに行く」
「なるほど、それならシュガーがどこの部屋なのかもわかりますね」
アーチェが納得しているのを見て、レビテアも渋々頷いた。
その瞬間、船が大きく揺れた。
「えっ!?」
「船、動いてる!?」
「………まさかっ……!」
レシルが駆け出し、コンが後を追う。
甲板に飛び出したレシルは一瞬言葉を失った。
「……そんな……」
レシルが唖然とした声をだした。
船は波を裂いて進み、すでに町は見えなくなっていた。
波の音だけが、甲板を支配する。
『クスクス……きゃはははは…』
「!?」
レシルは突然の声に耳を疑った。
甲板にいるのは今、自分とコンだけ、
後ろのコンを見るが、コンにこの声が聞こえているそぶりはない。
「(俺にしか……聞こえてない?)」
次第に耳鳴りは酷くなり、視界が揺らぐ。
『ア ソ ボ ウ ?』
すぐ、側で
声が聞こえた。
「戻れないの…?」
「……」
「…レシル?」
「……………」
突然、レシルは視界から消えた。
否、その場に倒れていた。
突然の事にコンは動揺を隠せず、慌ててレシルを揺する。
「レシル!?レシルッ!!誰かっ…誰かー!!」
コンの悲痛な叫びも、意識の朦朧としたレシルには届く事はなかった。
レシルはそのまま意識を閉ざした。