GuiltCrown
「コンは、レシル好きだよ?」

「……」


レシルは開いた口が塞がらない様な顔でコンを見つめた。


「コン……?本気で言ってるのか……?」

「のっと、らい!!」










嘘……じゃない。





コンのその言葉は、なんとなく信じられた。



「そんな事言われたの……始めてだ…」



ふいにそう言った。


これも、真実。








「………?」




不意に胸がざわつく様な違和感を感じた。



ただ、違和感の正体がなんなのか全くわからない………











「レシル?」


コンの声で意識を現実に戻し、話を続けた。



「さっき言った通り、俺は記憶がない……だからこそ他人は俺を普通の人として扱わなかった」

「……くれいじー?」

「それとは…違う。ただ俺は目覚めてから…もしかしたら目覚める前も……こうだったかもしれない」


レシルが黙りこむ。


だがそんな暗い雰囲気を飛ばす様にコンが言った。


「コンはレシル好き!好きな人の事は忘れないよ?レシルの事も!」

「……」


レシルは無意識にコンの頭に手を置いた。


そして一言、呟いた。







「……ありがとう」



穏やかな表情で、それだけを言った。




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