GuiltCrown
そんな俺を悩ませることが、たった一つだけある。
毎晩毎晩必ずやってくる、あの悪夢……
昔から、って言ってもいつ頃からかは覚えていないが、この夢は見ていた。
知らない者の声、暗い闇の世界…
俺は何も、知らない。
「……これもまるで手応えが無かったな」
レシルは呟き、携帯から目を離す。
毎晩の夢から逃れるようにゲームをやって、気を紛らわせるのだが、頭が良いがゆえほとんどのゲームはすぐクリアしてしまう。
「はぁ…」
携帯をカチカチといじり、あるところでレシルはぴたりと止まった。
「Guilt…Crown…?」
目に止まったのは、とあるゲームのタイトル。
表紙の宣伝にはこう書かれていた。
『光が闇に沈む時、
鐘は全ての始まりを告げる
咎人は空を仰ぎ
亡者は闇より舞いいずる
鍵人を探す事だけが
生者に残されし道
ゲームの勝者はただ一人
"罪の王冠"を被るのは
貴方か………?』
「…罪の王冠…一人の人間を探すゲーム……か。暇潰しくらいにはなる…か」
レシルは軽い気持ちでenterを、押した。