禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~



「…誓います。二度とこのような事がないと、命を賭けて」

この国で最高位の騎士であり、生涯を主への忠誠に捧げたリヲにとってそれはあまりにも自責の念に駆られる事であった。

けれど。

「例え貴方の妹が危機に陥ろうと…誓えますか?」

ヴィレーネの発した質問に、リヲは一瞬ピクリと眉を動かした。

「…もちろんです」

リヲはきっぱりとそう答えたが、ヴィレーネは彼の鉛色の瞳が揺れた事を見逃さなかった。

玉座から立ち上がりヴィレーネは膝まづくリヲに向かって朗々と命じた。

「主として命じます 。

リヲ、貴方は私を守りなさい。永遠に」

差し出された雪のように白い手に、リヲは黙って忠誠のキスを落とした。



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