禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
武器を作る事には長けていたが、長年のぬるい暮らしに慣れたデュークワーズに突然の戦争など勝ち目があるものでは無かった。
しかし、不思議な事にギルブルクは勢力をあげて攻め込んでは来なかった。
まるで何かを窺っているかのようにジワジワと、国境から丁寧にしらみ潰しに土地を奪っていった。
それでも武力の無いデュークワーズの被害は大きく、この5年で幾つもの兵団が壊滅し財政は圧迫され、もはや国は瀕死の状態と言っていい有り様だった。