禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
首都以外の村や町は貧困や病に喘ぎ、そんな国を心痛な思いで守ってきた国王も2年前に病に倒れ亡くなった。
もはや録な兵力の残っていないこの国で、18歳と云う若さで次の王位に就いた王家の血を継ぐ一人娘ヴィレーネ=シュ=ルナ=デュークワーズが、歳も近く剣の腕のたつリヲを気に入り第一団長に任命したのも無理はない話である。
そしてもうひとつ。
王家の血を絶やさない為にヴィレーネ女王と早急に婚姻し子を為す男が、この国には必要だった。
もはや傾きかけたこの国と政略結婚を結んでくれる酔狂な国は無い。
ならば、国内に於いて王家と婚姻を結んでも不足無い位を持つ若い男がそれを担うしかないのだ。