禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
「北部の住居地区は全て堕ちました!第三騎士団第八部隊全滅です!」
「西部の第五部隊を城の北門に召集させろ!西部は河川のボーガン隊だけで構わない、城への侵攻をなんとしても許すな!!」
王宮の間からリヲが伝令に向かって叫ぶ。
予想以上の敵の猛攻に加えミシュラがいない今、兵達は総督でもあるリヲに指示を仰ぐしかなかった。
リヲは指示を叫びながら抜刀し敵の侵攻に備えた。その背にヴィレーネを守って。
リヲにとってもこのギルブルクの猛攻は予想外だった。
前回の戦いで全くヴィレーネを狙わなかったギルブルクの目的は聖旗と聖女の強奪のみかと思われた。
それがうってかわったかのように街を焼き払い城へと侵攻を進めてデュークワーズの完全制圧を狙って来たのだ。
敵の不明過ぎる戦い方に、デュークワーズは完全に虚を突かれた。