禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
―――誇り高き女王。
やはり貴殿は忠誠を誓うに相応しい。
まだ年若く女の身でありながら、この国を守り支え続けてきた女王。
その責任が如何程重かったかなど、リヲの想像の及ぶところでは無い。
けれど彼女は気丈であり続けた。
ここにきて…国家滅亡の危機を目の前にして、リヲは初めて思う。
―――もっとこの人を支えるべきだったかも知れない、と。
一度も自分の胸で泣かせてやれなかった事を、申し訳ないと思った。
それが永遠に出来ないのなら、最高位の士号など賜るべきでは無かったと。
リヲは君主のどこまでも高貴な横顔を見つめながら思った。