禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~



黒龍団の撤退と落陽に寄り、ギルブルクは一旦兵を引き上げた。

デュークワーズの街は夕陽と炎と血に染まり、赤一色に包まれて長い一日を終えたのであった。


満身創痍。ギルブルクの大将を討ったとは言え、デュークワーズの戦況は最悪なものに変わりは無かった。

街は殺戮と略奪の末に焼かれ、その多くを廃墟と化した。

攻城戦に於ても第一の防壁は突破されデュークワーズは苦しい戦いを強いられた。

ギルブルクの猛攻にこのままわずか一日で堕ちるのかと兵達が絶望に駆られた頃、ヨーク将軍を討ったとの伝令が駆け巡りデュークワーズは九死に一生を得る。

寸出の所でこの国を救ったのは、皮肉にも国が囮として見捨てようとした少女だったのだ。




< 179 / 271 >

この作品をシェア

pagetop