禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~



長い夜が明けた。

それは、デュークワーズの命運を賭けた日の幕開けだと誰しもが思った。


朝は鮮烈な霧とともに訪れ、やがてそれが晴れると黒い影が訪れた。

街には再び火が放たれ、昨日以上にデュークワーズを徹底的に消し去ろうと云うギルブルクの脅威が見えた。

満身創痍で迎えたデュークワーズの兵力はもはや抵抗にならず、国家と歴史は音をたてて崩れ去ろうとしていた。


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