禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
陽が高くなり始めた頃。
黒い鳥が教会の上を旋回し、それに導かれるように黒い鎧の軍団が表れた。
教会周辺を守っていたデュークワーズの兵達がそれを見て戦慄する。
「嘘だ…!!貴様は昨日確かにアン様が…!!」
叫んだ兵士はその真相も分からぬまま次の瞬間塵と化した。
黒い炎に焼かれて。
「生憎だな。俺は回復が早いのが自慢でね」
そこには、アンが深く突き刺した首の傷も落とされた筈の左手の指も、まるで何事も無かったかのように元通りになったヨーク将軍の姿があった。