禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
日の光を映して揺れる黄金色の滝の髪。
しなやかな手足に温かみを感じさせる肌の色。
そして、森の翠を閉じ込めたような凛として煌めく瞳。
年頃になった娘は、生命力溢れる美しさを有し眩い程の魅力を持つようになっていた。
すれ違った兵士たちが敬礼の後こっそり感嘆の溜め息を零したのも無理はない。
アン=ガーディナー。
その美しく生命の香りがする18歳の娘は、聖旗守護団長と云う任に相応しい乙女だと、この城の誰もが思っていた。
ただ一人を除いて。