禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
暗黒の力を封印せしめんと、ひとつの国が立ち上がった。
そこは美しい女の王が収める国だった。
豊かな自然に囲まれ、森羅万象を、四大精霊を敬う高潔な国。
決して武力の強い国では無かったが世界で最も四大精霊との結び付きが強く、また叡知あふれる国。
かの国の女王は言った。闇に対抗しうる聖なる力を導きましょう、と。
“闇”と同じ隠世の上位精霊、“光”。
歴史と、容易く触れ得る事の出来ない高貴と純潔。その自らの高潔な血を贄に、女王は光の精霊をその身に宿した。
闇と光の力は拮抗した。
終焉無き戦いに思われたそれに僅かに優劣を付けたのは、かの国が敬い信頼を結んできた四大精霊の加護だった。
そしてついに、光の女王は混沌の王ごと闇の力を封印する事に成功する。