禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
「それに、兄さんの言うことにいちいち傷付いてたら妹なんてやってられないもの」
あっけらかんとそう言い放つ少女に、ミシュラは青い目をパチクリと見開いた。
…こりゃあ、この娘、ただの愛らしいお人形さんじゃあないぞ。この気の強さ、間違いなくあのリヲ団長の妹だ。
ただただ感心するミシュラの視線など気にもせずに、アンは
「明日から楽しみだわ」
と、気持ち良さそうに大股で歩きながら黄金の髪を靡かせた。