禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
男女、と云うにはまだあまりにも似つかわしくない二人だった。
夜の闇を凝縮させたような深い黒の髪を持つのは、まだあどけなさの残る少年。
そして、光の滝のような黄金の髪を儚げに揺らすのは、少女とさえ呼ぶのが憚られるような幼い娘だった。
「……にい、さん……」
「違う。……リヲと…リヲと呼ぶんだ、アン」
荒い吐息混じりの声で、少年は少女にそう命じた。
彼女の小さな薄紅色の唇に何度も口付けながら。