禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~





男女、と云うにはまだあまりにも似つかわしくない二人だった。



夜の闇を凝縮させたような深い黒の髪を持つのは、まだあどけなさの残る少年。

そして、光の滝のような黄金の髪を儚げに揺らすのは、少女とさえ呼ぶのが憚られるような幼い娘だった。


「……にい、さん……」

「違う。……リヲと…リヲと呼ぶんだ、アン」


荒い吐息混じりの声で、少年は少女にそう命じた。

彼女の小さな薄紅色の唇に何度も口付けながら。



< 3 / 271 >

この作品をシェア

pagetop