禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
リヲは、城にいる間は訓練や軍の師事にあたる時以外、その身をほとんど女王陛下の側に置いた。
時に政の助言をも求められるその役割は大臣に近かったかもしれない。
そんなリヲを守旧派の諸公たちは良くは思わなかったが、何せ今は状況が状況である。
頼れる者もおらず、その華奢な双肩に傾きかけた国の命運を乗せる若き女王には古めかしい頭の大臣より、心の支えになる者が必要なのだ。
おまけにその男はいずれ国王の座に就くやもしれない。
リヲは暗黙のうちに女王に一番近い人間として見られるようになっていた。
しかし。