禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
「お、揃ってるね」
整列した隊を見ながら慌てるでもなく歩いて来るミシュラの後から、昨日と違い金色の髪を高く一本に括って身軽な稽古着と簡易装備を身に着けたアンが付いてきた。
そして、団長であるリヲに一礼、団員全員に向かって一礼すると
「本日より陛下の命に於いて第一騎士団にて訓練を賜りますアン=ガーディナーです!」
と、よく通る凛々しい声で皆に向かって挨拶をした。
腕を組んだままひたすら不機嫌な団長に代わってミシュラが
「まあ皆分かってると思うけど、アン殿は聖旗守護騎士団の次期担い手になる。そのための訓練を今日から我々と共にするワケだ」
と団員達に向かってそう説明する。そして
「見ての通りの麗しいレディーだが、ここにいる間はいち見習い騎士である。従って団員諸君は鼻の下を伸ばしたりせず騎士道精神に従って真摯に接するように」
と、好奇心と下心に目を輝かせてる輩に釘を刺した。