禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~


挨拶が済むといよいよ訓練が開始される。団員達は皆、隊ごとに別れ打ち込みの特訓をしたり馬上訓練を行ったりした。

一気に賑わいだした訓練場の中央でリヲとミシュラとアンだけが立っていた。

「さて、じゃあまずは…規定に従って実力を図らせてもらおうかな」

顎を擦り考え込みながらミシュラが呟く。

デュークワーズの騎士団では入団した際、目上のものと手合わせをして実力を図るのが通例となっていた。

これにはリヲも文句は無いようで腕を組んだまま黙っている。

「誰にやってもらおうかな…百人長辺りの奴がいいか」

ミシュラが独り言のように呟いて、訓練中の団員に声を掛けに行こうとすると

「待てミシュラ。お前がやれ」

ずっと黙っていたリヲが突然そう言葉を発した。


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