禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~



「……アン……。…俺は…………」


ボロボロと涙を溢し少女の体から離れると、少年は勢いよく踵を返し苔の繁る森の道を走って行ってしまった。


深翠の広場には、ひとり夢を見ているような色を浮かべた瞳の少女が残された。




―――森は見ていた。


幼い兄妹の禁じられた恋慕を。









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