禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~



その日の夜の事だった。

部屋で明日の訓練の予定を組んでいるミシュラの元へ珍しくリヲがやってきた。

「珍しいね、こんな時間にリヲが僕の所に来るなんて」

椅子から立ち上がったミシュラに、リヲは手に持っていた麻の袋を投げて渡した。

「え?なんだい?これは」

「…女用の訓練着だ。明日からあいつにはそれを着させろ」

目を丸くしながらミシュラが袋を開けると、確かにそれは軽く丈夫な布で出来ている女性用の服だった。

それを見てミシュラは気付く。今日のアンの格好の危うさに。


< 52 / 271 >

この作品をシェア

pagetop