禁恋~純潔の聖女と騎士団長の歪な愛~
「心配でしょーがないんだね、お兄さまは」
リヲの出ていったドアを眺めながら、ミシュラはまだ笑いが収まらないでいた。
手の中の訓練着はわざわざ城下町で買ったものだ。ここまで手間を掛けて、これが愛情で無くてなんだと云うのか。
ミシュラはそれを見ながら、明日これを着る少女の事を思い出した。
―――確かに。あの健康的な肢体はあまり露出しない方がいい。平常心でいられなくなるな。
それは団員達だけでなく自分もだな、
とミシュラは少し顔を赤らめて、独り部屋で頭を掻いた。