スイートペットライフ
40分ほど、セクハラ攻撃をかわしながらなんとか説明を終えた。

三橋経理課長は内線で事務の女子社員にコーヒーを頼んでくれた。

実際私からすればそんなものどうでもいいから、早く帰らせてくれと言うのが本音だけど、ぐっと我慢して、運ばれたコーヒーに口をつけた。

女子社員が出て行ったあと、三橋課経理課長は私との距離を詰めた。

ちょっと、これ以上は近付かないでほしい。

正直ほのかなセクハラまがいな行為をこの40分でされている私は警戒していた。

「青木さんってさー、彼氏いるの?」

やっぱりきたその手の質問。嘘をついても仕方ないので正直に答える。

「いません」

余計な言葉を使わずに、簡潔に答えた。

「そうなんだ~ふ~ん。青木さんってさ~、夢子ちゃんに似てるよね」

「は?」

「キラキラ夢子ちゃんだよ、知らない?」

嫌ってほど知ってます。まさか彼も夢子ちゃんマニアか!?

それで、ここまでしつこく私に会社に来るように言ったんだ。理由が分かって納得!

っていうか、納得してる場合じゃない。なんだかさっきよりも距離が縮まっているような……。
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