スイートペットライフ
五月六月のこの時期の事務所は結構忙しい。

株主総会を開くような大きな会社はそこまで沢山ないが、いくつかあるその株主総会が六月に集中していることと、労働保険の申告開始の時期になるので社労士の先生の仕事が多くなる。

私も各部署に駆り出されて、遅くまで残業をする日が続いていた。

「う~おなかすいた~」

待ちに待ったランチタイム。朝から各部署を行ったり来たりしていて、階段の上り降りでかなりのカロリーを消費した私はお昼になると、休憩室替わりの会議室に陣取る。

そう、お弁当だ。いつもなら、外にランチに行くかコンビニやお弁当屋さんが路面に出すお弁当を食べたりしているが、今日は弁当を持参している。

最近忙しい私を気遣って、大倉さんが朝からせっせと弁当を作ってくれたのだ。
「いらない!」

「持っていきなさい!」

「いいってば、ちゃんと食べてるから!」

「そんなこと言って、また痩せたんじゃないか?貧乳に磨きがかかったらどうするんだ!」

「へんたーい!そんなもんに磨きがかかるかー!!!」

という会話を朝からして、なかば無理矢理持たされた弁当だったが、お腹ぺこぺこの私には本当にありがたかった。

< 105 / 249 >

この作品をシェア

pagetop