スイートペットライフ
耳がくすぐったい。風が吹いてる。窓閉めてたはずなのにな。

ひゃん!

何?なんか耳が得体のしれないもので刺激されてる?なんとなく“ぴちゃ”って言う水音がする気もする。

瞬時に危険を察知した私はパチッと目を開けた。

驚きすぎると人間声がでなくなるらしい。

私の上には大倉さんが乗っかっていた。すぐに着衣の有無の確認をして安心――

してる場合じゃなーーーい!

「何してるんですかー!おりてくださーい」

両手両足をじたばたとする私を面白そうに見る大倉さん。

「無防備なミィみてたらいたずらしたくなって。ミィにも聞いたんだよ。そしたら『うーん』って」

「それ返事じゃなくてうめき声でしょ!?」

「そうなの?」

「そうなんです。早くどいてください」

再度手をじたばたすると、名残惜しそうに大倉さんが私の上からどいた。

朝からイケメンの浴衣からはだけた胸板は刺激が強過ぎだ。

おそらく舐められた耳たぶがありえないほどの高温になっているのが鏡を見ないでもわかる。

一刻も早く着替えなくては貞操の危機だ。そう思いながら大倉さんが準備してくれた着替えに袖をとおした。

着替え終わって大倉さんを探すと、窓際に置かれたソファに座って新聞を読んでいた。

ふと思い出して昨日はどんな夢を見ていたのか聞いてみたが、一瞬顔を曇らせたが何かを隠すように、満面の笑顔で朝から一緒にお風呂入ろうよ攻撃をされてなんとなく誤魔化された。

私もそれ以上は何も聞けないまま、住み慣れた二人の部屋に帰ってきた。

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