スイートペットライフ
やった！ナイス！この電話かけて来てくれた人今日絶対いいことあるよ！

そんな風に内心思いながら、三橋課長に宣言する。

「他の電話が入ってきたので、申し訳ありませんが切ります」

「あ！あの…」

返事を待たずに受話器を置いた。本来ならあり得ない電話応対だ。だけどこれでも我慢したほうだ。きっと誰も私を責めますまい。

そして、私の救世主となった電話をかけて来た主を確かめようと、鳴り響く電話を取った。

「わかば税理士法人です」

「青木？」

電話の向こうからは聞きなれた諏訪君の声が響いた。

「あ……。諏訪君？あ～諏訪く～ん」

思わず情けない声で名前を連呼してしまう。

「ど、どうしたんだよ！何だよ？」

電話口の彼があわてているのが分かる。

「その、あのちょっと、色々えーっと、とにかく諏訪君！今日は絶対いいことがあるよ！神様は君のその善行を必ず見てくれているっ！」

「はぁ？」

なんなんだコイツと言わんばかりの「はぁ？」が返ってきた。

結局その後、諏訪君に一部始終を報告した。心配する諏訪君に電話だから大丈夫だと告げ、電話を切った。

あぁ、用件聞くの忘れてた！まぁ、大事な用事ならもう一度かけてるだろうな。

私は気分転換に、給湯室へと席をたった。

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