スイートペットライフ

ぼーっとして話を聞き流していた私の目の前で大倉さんが手をひらひらさせている。

「ミィ大丈夫？熱でもある？」

そう言いながら、私のおでこに額をくっつけてくる。

うぉ！近い！

思わず、後ろに飛びのいた私を特に気にも留めず神妙な顔で「熱はないな」とつぶやいている。

「あの、何だか今日は疲れて食欲がなくて――」

もう寝たいんだ！と主張しようとしていた私を大倉さんが遮る。

「大丈夫！僕がついているからね」

そう言って手を両手でやさしくつ包み込まれた

いや、疲れたから眠りたいだけなのに。

「そうとなったら、急がないと。メニューはおかゆに変更しないといけないな。それにそんな体調じゃお風呂も一緒に入らないと心配でならないし、あ‐‐‐！佐々木に電話して往診してもらわないと！」

ばたばたと動きながら“ミィ看病大作戦”を行う大倉さんをなだめるのに、残りのパワーのすべてを使い切った私は、ベッドに倒れこむと何も考えずに意識を失うように眠りに落ちて行った。