スイートペットライフ
翌日私が起きた時に大倉さんはすでに出勤していた。これは別に珍しいことではないけど、なんだか今日は朝起きて大倉さんの顔を見て「おはよう」が言いたかったな。

なんだかすっきりしない感情を抱えたまま朝食も取らずに出勤した。

今日、お弁当を持ってきていなかった私は事務所の一階にある「北極星」でタマゴサンドをほおばっていた。

「美空ちゃん、お昼にうち来るの久しぶりね」

ただ黙々と食事をする私に奥さんが話かけてくれた。

「はい。いつもはお弁当だったので」

そう答えると、お弁当を渡してくれているギャルソンエプロンの大倉さんが浮かんだ。

一体どうして今ここで彼が？

頭をぶんぶん振って彼の残像を消す。

「ふふ、なんか上の空ね。あんまり悩まないことね。なるようになるわ。それもいいようにね」

奥さんが杏仁豆腐を出してくれながら、前向きな言葉をかけてくれる。何だか気持ちが軽くなる。

「ありがとうございます。これで午後からもお仕事頑張ります！」

さっきより笑顔がましになったはず。

サンドイッチと杏仁豆腐でおなかいっぱいになった私は午後からの仕事に気合を入れて向かった。しかし――
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