スイートペットライフ
それから私は大倉さんにせがまれて自分の幼い頃の話をした。たいしておもしろくもない話なのに大倉さんは、ニコニコと私の話を聞いていた。
久しぶりに聞く大倉さんの声に心が落ち着く。思わず私はウトウトした。

「ミィ、膝にゴロンしなさい」

そう優しい誘惑をされて、私は何も考えずに大倉さんの膝に頭を乗せ目を閉じた。

最初は“リード”と言われて手を繋がれていただけだったのに、気がつけば彼の腕の中に何の違和感もなく収まっている自分がいる。

彼との距離が縮まるたびに、自分の中に芽生えた気持ちがニョキニョキと成長している。

この“芽生えた何か”がいつか花をつけたときに私は一体どうなっているのだろうか?

そんな風に考えながら、大倉さんの少しごつごつして固いけれど暖かい膝の上で眠りへと落ちていった。


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