スイートペットライフ
私はシャワーを浴びてテレビを見ながらコンビニで買ってきたアイスを食べていた。

正直テレビの内容なんて全く頭に入ってきてない。考えているのは諏訪君のことだ。

ぼーっとしながらアイスを食べていると、いきなり腕を掴まれた。

すると私の腕を掴んで、アイスを大倉さんがほおばっていた。

「ぼーっとしてるからとけてる」

そう言って、アイスで汚れた私の手も一緒に舐めた。

「きゃ!くすぐったいです!やめて」

もがくけど、まったくやめてくれない大倉さん。むしろアイスよりも私の手を舐めるのがメインになってないかい?くすぐったいのに、舌が手をはう感触が恥ずかしくて頬に熱が集中する。

「もう、ちゃんと食べますから、やめて!」

するとやっと手が解放された。

大倉さんはドサリと私の横に腰を下ろした。

「ミィ~なんか悩んでるでしょ?ミィがこうやってご飯の後に糖分を摂取してるときは間違いなく悩みごとがあるときだ」

いつの間にそんなことまでばれてしまったんだろう?

「うん。色々困ってる。だけど自分でなんとかしないとダメなことだから」

そう言うと、大倉さんは少しさみしそうに笑った。

「夜にあんまり食べると太るよ。あ!でもミィはもうちょっとふっくらしたほうがいいよね。とくにおっぱいなんか、年齢と伴ってないよね」

もう!この話題になるとすぐ胸の話になる!

「年齢と胸の大きさが比例するって誰が決めたんですか?」

私はグーで大倉さんの肩を叩く。

「痛い!暴力反対!反抗期?」

「もう、知りません!オミ君がデリカシーなさすぎるからでしょ!」

私はそう言うと、部屋へと逃げ込んだ。

大倉さんと話したことで少し心が浮上した。一人だときっと悶々と考えていたに違いない。

諏訪君には少し時間をおいてちゃんと話をしよう。きちんと話をすればきっと分かってくれる。今の私が大切にしたいのは大倉さんとのこの生活なんだから。

一歩進んで十歩ぐらい下がっている気がするが、悩んでも仕方ない。

そう思いながらベッドに横になると、仕事で疲れていたせいもあってすぐに睡魔が眠りの世界に連れて行ってくれた。

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