スイートペットライフ
「だけどサンヒョンに出会って、あぁこの人と一緒に一日を過ごしたらどんなだろう?朝“おはよう”を言って、寝る前に“おやすみ”を言う生活をしたらどうなんだろう?そう思わせてくれた初めての人だった」

私が大倉さんに感じている思いと同じ思いをママはサンヒョンに感じていたんだ。

「それで、『あぁ、結婚しよう』って。ただそれだけ」

そう言って私に視線を移す。

「ママ今とっても幸せ」

娘に言うセリフではないと思うけれど、嬉しそうなその笑顔を見ていたらママの選択が間違っていなかったことが分かる。

「ママはママのやり方でこういう道を選んだの。美空もよく考えなさい。彼が既婚者だっていうことも踏まえてね」

そう言いながら私の口にもう一つゆで卵を押し付けて来た。

ママの話を聞いて一つだけはっきりと分かったことがある。

それは――私は間違いなくママの子供だということ。
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