スイートペットライフ

18. これが私の答えです

行きと同じく込み合う入国審査場を経て、荷物をピックアップする。急に休暇を取ったから会社と佐和子先輩にはお土産を買った。行きよりも確実に重いキャリーをコロコロと転がしながら、ゲートをくぐり都心に向かうリムジンバス乗り場に向かおうとした矢先。

「いたぞ！こっちだ！」

そう男性の大きな声があたりに響いた。

「確保！かーくーほーーー！」

大きな足音をたてて黒いスーツにサングラスの男たちが私を一斉に囲んだ。

な、なんなの！？何？

すると一人の男の人が私を後ろからはがいじめにした。そして目の前にいるサングラスの初老の男性に「確保完了！」と報告をしていた。

その男性はスーツのポケットから電話を出だしてどこかに電話をし始めた。

「社長！ミィ様無事確保しました。健康状態も良好そうです！」

「真田さん！？」

声を聞いて思い当たる相手の名前を呼ぶとサングラスをずらして電話をしながら私に向かって親指を立てた。

いや何で今“いいね！”みたいに親指を立てる必要があるの？

今まで真田さんのことはまともだと思ってきたけどどうやらそれも間違いのようだ……。

変態の周りには変態が集まるのか？変態の近くにいるから『朱に交われば赤くなる』のか。

いや、それよりもどうして私が『確保』されているのかの説明を求む。

「さぁ、ミィ様社長のもとに参りましょう」

にっこりとほほ笑んだサングラスの真田さんは、私をはがいじめにしている男性に顎で合図をする。
するとその男性は私を担いで空港内を歩き始めた。

「おーろーしーてー！」

むなしく響く私の声を聞いて真田さんは「ダメです」と一言いい、そして“フフフ”と笑った。その笑顔を見て私はこれ以上逆らってはいけないと感じた。

オミ君の周りにはまともな人いないの……？