スイートペットライフ
***

う~ん、なんだか体がだるい。あぁそうか……。あのまま眠っちゃったから……。

それにしても、私なんかひっくり返されてる??

バチッと目を開くとそこには枕があって、背中のあたりを“ツンツン”とつつかれる。それと同時に「み~っけ」と言う声も。

ガバッと寝返りを打つと、そこにはニヤニヤしている大倉さんの顔があった。

「一体なにやってるんですか?」

思いが通じ合ってはじめての行為の後なのに、なんでこんなことされてるの?

「なにって、言ったじゃないホクロ数えるって。今、一二個発見した~足の指の間にもあったよ~」

どうだ!みたいな顔を向けられる。

「変態!もういい加減にしてください」

そういって枕を続けて二個投げるが、大倉さんは某ダンスユニットのように体を器用に揺らして避ける。

「ミィに関して加減するなんてできないよ。いつでも全力!」

こんなときにVサインされても困る。

呆れている私に大倉さんがぐいっっと近付いた。

「だから、もう少し僕に付き合ってくれる?」

それまでのおどけた表情が一変して、真剣なまなざしで見つめられる。

私の返事を待たずに、大倉さんの綺麗な唇が寄せられる。

私はそっと瞼を閉じて、これから彼によってもたらされる幸せな甘い時間に期待した。

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