スイートペットライフ
「よし、ここは僕にいい考えがあるよ。君ここに住めばいい」


そう言って満面の笑みを浮かべてくる

「あの、私の話聞いてました。今私ほとんど無一文なんです。こんな豪華な部屋を借りるお金ないんです!」

この人は私の話をきちんと聞いていたのだろうか?

「だからだよ。この部屋の持ち主に交渉してあげる。家賃も三万円でどうかな?」

「三万?」


一体このご時世三万でこの部屋を貸し出すなんてありえない。

「この部屋はすごく僕と親しい人の持ち物でね、今急いで住人を探してるんだ。家具や家電なんかもそのままで使っていいし、家賃はいくらでも構わないって言われてるんだ」

私みたいに住む部屋に困っている人がいるのに、世の中は不公平だ。

「でも…。こんな豪華な部屋気おくれします」

私が渋っていると(当たり前だ、庶民には豪華すぎるんだもの。この部屋)

「じゃあ、1週間後にホームレスになるの?」
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