スイートペットライフ
1階の喫茶店でタンブラーに入れてもらったコーヒーをデスクに置いて、パソコンの電源を入れる。

その間に荷物をロッカーに入れて、ロッカーの鏡で申し訳程度にグロスを塗り直し、前髪を整えた。

ママ譲りの茶色い髪は学生の頃は煩わしいだけだった。

いつも生活指導の先生の目にとまり、派手な女子たちからは目をつけられた。

今となってはカラーリングも必要ない綺麗な栗毛はママに感謝しなくてはいけないだろう。

ふわふわの柔らかい髪の毛は雨の日には手に負えなくなるが、そこまで不満はない。

今日ブローの時間など到底なかったので、お気に入りのリボンバレッタでハーフアップにしている。

「さて、頑張りますか!」

鏡の中の自分に気合を入れてロッカーの扉を閉じる。
< 5 / 249 >

この作品をシェア

pagetop