スイートペットライフ
目の前にはパスタを中心としてアボカドと生ハムのサラダやスープが並べられていた。

「おいしそう…」

思わず素直な感想が口を付く。

「お気に召すといいんだけど」

料理から顔をあげて向かいの席の大倉さんを見ると頬づえをついて、こちらをじっと見ていた。

「見ないでください!」

耳まで真っ赤にして反抗する。

「いいじゃん。別に減るもんじゃないし」

「減ります。消耗します。もうここに来て擦り減りまくりです」

そう早口で答えると、

「これくらいで擦り減ってたら、明日には1ミリぐらいになってそうだね。はは」

‘ははっ’って何?一ミリって何?

っていうか今から何するつもり?

良からぬ想像が頭を駆け巡る。

「さぁ、冷めないうちに食べよう」

そう言って大倉さんは私のワイングラスに赤ワインを注いだ。

そして自分のグラスにも注ぐと、グラスを掲げて
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