スイートペットライフ
7.   ペット生活も楽じゃない
ランチを終えて私達は並木通りを歩いていた。このあたりの町並みは高級住宅街だけあって整備されていて、散歩するにはちょうどよかった。

「ミィ、手!」

「て?」

「そう、手だして」

そう言われて、手を出すと、ギュッと握りしめられた。

「あ~やっぱりぷにぷに。ミィの手って気持ちいいよね」

なんて一人で呑気に呟いてるけど、このシュチュエーションは頂けない。

「あの、手離して下さい」

お付き合いもしていない男性と(一緒に暮らしてはいるけど)手をつなぐなんてことがあってはならないのだ。私の人生においては。

「どうして、ちゃんとつないでおかないと、それともリードがいい?」

「え?」

「だって、あの本に外を歩くときはリードを必ず付けましょうって」

「あの本って犬の?」

「そうそう。役立つよ。知らないことばっかりでさ」

と言いながらつないだ手はそのままだ。

「でも手は」

「じゃぁリード」

「無理です。手つなぐのでいいです」

「よろしい。すべて飼い主の責任になるからね。こういうことはきちんとしておかないと」

立派な心がけです。それが本当の犬ならね。私二四歳の女子なんだけど…。
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