スイートペットライフ
バタバタと診察を終えて、クリニックを後にする。

大倉さんは健康診断の結果を穴があくほど見ている。私の身長も体重も貧乳もすべて彼の手の中だ。

呆れた私は、大倉さんを無視してずんずん足を速めて歩いた。

「ミィ、ミィってば、何怒ってるの?」

何怒ってるのだと?それを言わないと分からない自体ですでに私の怒りに触れている。

「健康診断の結果見るなんてデリカシーがなさすぎます!」

「ん?どうして?だってミィに何かあったら僕はどうすればいいんだ」

私の肩をがしっとつかんで、真剣な目で見つめる。

「どうしたらって、健康管理ぐらい自分でできます。大人ですから」

そう言い返すと、首を激しく左右に振る。

「大人とか言わない。現に今、貧血と貧乳じゃないか、そ…もごっ…」

「もういいです!それ以上何も言わないで」

そう言って両手で大倉さんの口をふさいだ。
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