スイートペットライフ
「さぁ、であれば急ぎましょう。ミィさん一人で夕食取らせるんですか?」

「ダメダメ、すぐ行く、今すぐ!」

そう言って、急いで着替えに寝室に入って行った。

「真田さん、大倉さんの扱いうまいですね。弟子入りしたいです」

真剣に尊敬のまなざしを向ける。

「とんでもございません」

そう言って、二コリと笑う真田さん。策士だ。間違いない。

私は残りのフレンチトーストを食べ終わると、大倉さんのリクエストにこたえて、玄関までお見送りをした。

その足で私は荷物が置かれた、書斎じみた部屋へ直行した。

自分の布団を引っ張り出して、段ボールを端によけて布団をしいて横になった。

昨日のふかふかのベッドよりもはるかに固い布団だったが、私にとっては安住の地に思えた。

とりあえず眠ろう。

目が覚めた時もしかすると、もとのママと住んでいたマンションにいるかもしれない。

そんなことありえないって二四歳にもなれば理解しているが、そう思わずには安眠できそうになかった。

だって私の首元にはまだ、大倉さんのたくましい腕の感触が残っていたから。

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