スイートペットライフ
お茶碗もお箸も湯のみもすべておそろいだということに。

「これどうしてすべておそろいなんですか?」

「これ?気が付いてくれた。ミィとお揃いにしたくて買ったんだ。いい感じでしょ?」

いい感じと言えばいい感じだ。

あの一週間で彼はどれだけ私を受け入れる準備をしてくれたのだろう?

社長という立場では仕事もきっと大変だろう(昨日も出社していたし)にも関わらず自分に時間を割いてくれたことが、なんだか嬉しくてくすぐったかった。

「ミィ。食べ終わったらこれに着替えなさい」

そういって、服をワンセット渡された。

「あの、これって?」

「ミィに似合いそうな服だったから、かわいいと思うよ。ペットを着飾れるのも飼い主の特権だよね~」

そう鼻歌を歌いながら、食器を手早く片付けて行く。

確かに渡された服は自分では選ばないものだった。

これ来て会社にいくのか?

でもここで拒否すればきっとまた押し問答が始まり間違いなく遅刻だ。

ここは、素直に従っていればいい。常識の範囲から外れた服ではないのだから。
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