スイートペットライフ
「ちょっと、何するんですか?」

「しー!じっとしてないと時間なくなっちゃうよ」

そう言われて、抵抗するのをあきらめた。

私の髪をいじる大倉さんの手はすごく優しく動いた。

櫛で髪をとかされながら、後ろの高めの位置でひとくくりにされる。

「できたー!」

満足そうにそう言った。

ポニーテール…。

「やっぱりミィはこれじゃなくちゃ」

私の髪を指に巻きつけながら言った。

会社にまで、ポニーテールか。まぁいいや。これぐらいなら許容範囲。

「あと、グロスは取って行きなさい。そのグロス良く似合ってるから、外では付けないようにね」

良く似合ってるなら、外に付けて行ってもいいじゃない?

色々聞きたかったが、壁にかかっている時計を確認すると、私は一気に立ちあがった。

「遅刻だ!」

送っていくという大倉さんの攻撃?をかわしながら、私は駅へと大倉さんの買ってくれた新しい靴でダッシュした。

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