【短】生徒会シリーズ1~憐れ、青春の闘争~


「私達庶民は、たかが100円、高くても千円紙幣を出せば大体は満足できるチョコレートに出会える。
バレンタインデーにはそれなりに高価なチョコレートも買うかもしれないが、それも半分以上は付加価値のかかったものに過ぎない。
つまり、チョコレートというのは現代にとって非常に手に入りやすいものであるのは確かだと思う」


 新井田と笹枝はいつになく真剣な甲賀の話に、真剣に耳を傾ける。


「先程も話した通り、飲み物だったチョコレートをヨーロッパに持ち込んだのはクリストファー・コロンブスだ。
新井田、コロンブスはどんな人物だったかくらいは言えるな?」
「あ、はい。アメリカ大陸を見つけた人ですよね。インドを目指していて、死ぬまでアメリカ大陸をインドだと疑わなかったっていう」
「ふむ」


 新井田の答えに静かに頷く甲賀は、そして付け加えた。


「しかし彼は冒険家ではなかった。ただのキリシタンであり、結果的には奴隷商人だった」
「もともとインドの黄金が目当てだった」


 小山が更に付け加える。


「アメリカ大陸に到着したコロンブスは、先住民族であるインディアンがこれといった武器もなく歓迎してくれたのをいいことに、言葉巧みにスペイン人の言いなりしていったのさ」
「え、そんなマイナスイメージの人なんですか?」

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