最愛~あなただけが~
「時間、まだあるならコーヒーでも飲まない?奢るよ。」

「・・・いいんですか?」

「うん。
 いいプレゼントが選べたお礼。」

 断る理由なんてない。
 鷹野さんと過ごせる時間が10分でも5分でもあるなら。



「そんなに嬉しい?」

 不意に、鷹野さんが私を見てそう言った。


「すっ、スタバのコーヒー、好きなんですっ。
 今ちょうどクリスマス前で限定品もあるし・・・っ。」


 なんて下手な言い訳。

 だけど焦る私に気付く様子もなく、鷹野さんは、そっか。と、笑っただけだった。


(・・・その笑顔、反則。)


 鷹野さんは切れ長の眼を細めて、穏やかに優しく微笑む。
 そんな笑顔を私だけに向けられたら、私の心臓は不整脈を起こしそうだ。
< 115 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop