最愛~あなただけが~
 暫くトイレにこもって吐くだけ吐いたら、やっと気持ち悪さはおさまった。

 ヨレヨレ状態でトイレから出ると、鷹野さんがいた。


(待っててくれたの…?)

 嬉しくてドキっとしたけど、ゲロ臭くないか不安になる。



「もう、大丈夫?」

「・・・はい。落ち着きました。」

「顔、こんなに蒼くなって。
 どうして苦手なもん無理して食べたんだ。」


 優しい鷹野さんの声。


(・・・やだ。また泣きそう。)


「顔に汚いモノついてるかもしれないですよ?」

 なんてふざけておきながら、私は、鷹野さんを見ていられずに俯く。
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