最愛~あなただけが~
「いやぁ~。若い女の子と飲めると思うと、おじちゃん、ウハウハしちゃうなァ♪
 都築くん、しっかりついてきてよ!」

 もうアルコールが入っているんじゃないかと思うようなテンションは、営業の大内部長。


「ボクのお膝の上、今夜は都築くんの貸切にしてあげよーか?」

「アハハ。
 大内部長、待ちきれなくて会社で飲んできたでしょ?」


 飲んでなくてもこのテンションって、大内部長ってば、どんだけ?(笑)


「はい。
 都築さん、どうぞ。」


 席決めのくじ引きの箱が回ってきて、私はガサガサと中をかき混ぜる。


(どうか鷹野さんの隣か向かいに!)


 くじを引きながら、心の中で手を合わせた。
 まるで、小学生の頃の初恋みたいに。


「みんなくじ引いたかー?
 席に書いてあるアルファベットの位置に座るんだぞ。
 ・・・じゃあ、オープン!」

 井戸越課長の合図で、みんなそれぞれ、引いたくじをカサカサと開く。
< 164 / 247 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop