最愛~あなただけが~
「鷹野さん。
 具合、どうですか?」

 畳の上で真っ赤な顔をして横たわっている鷹野さんに、冷たいおしぼりを渡しながら私は聞いた。

「・・・さっきより、マシになってきた。」

 弱々しく答える鷹野さん。


 鷹野さん、飲み過ぎてリバースしちゃったんだ。

「今夜はオレもイケそうな気がする!」

 って、テンションに任せて飲んじゃったみたいで。
 それでも、生ビールと梅酒を二杯ずつしか飲んでないんだけどね。



「都築さん、気ぃ利かせて薄めに作ってくれてたのに、
 ざまーないな。オレ。
 情けねぇー・・・」

 鷹野さんが、赤い顔を更に赤らめて言う。


(気付いてくれてたんだ・・・)


 思わず、口元が綻びそうになった。


「上司の面目、丸潰れだよな・・・これじゃ。」

 くしゃくしゃと頭を掻いた鷹野さんの前髪が乱れる。


 普段はビシッとしている鷹野さんの
 こんな一面が可愛く思えた。
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