最愛~あなただけが~
「おはよう。」

 月曜日の朝、いつもより早く会社の駐車場に着いた私を、鷹野さんが待っていた。

「・・・おはようございます。」

 新年会のことを思い出すと挨拶するのもなんだか恥ずかしくて、まともに目を合わせられない。


「多分、オレを避けて早く出社してくるだろうって思ってた。」

 お見通しだよ。と、言わんばかりに鷹野さんは言う。


「・・・この間のこと、ちゃんと覚えてらっしゃるんですか?」

 並んで歩きながら、私は聞いた。

「覚えてるよ。」

 さらりと鷹野さんは答える。


「酔ってただけ・・・ですよね?
 冗談・・・とか?」

 私の言葉に、鷹野さんは立ち止まった。

「酔っ払いの悪ふざけと、本気と、都築さんはどっちがいい?」

「そんなのっ。
 鷹野さん、ズルいです!」

 顔を覗き込まれて、まんまとドキドキしている自分。
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